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【JaSST Online Anemone】に参加しました

こんにちは、プロダクトデベロップメント部 QA チームマネージャー松山大(まつやまだい)です。
人生初、そして Phone Appli の QA チームからのエンジニアブログ初エントリーとなります。
いずれは「QA とは」のようなエモい話を書きたいと言う野望を胸に抱きつつ、初回はイベントの参加報告をしたいと思います。

目次

1.イベントについて

2.前半:テスト分析ライブ

3.後半:OST 形式のディスカッション

4.まとめ



1.イベントについて


2020年6月20日(土) 日本のテスト業界最大級のイベントである JaSST (じゃすと)、その初のオンライン版 JaSST Online Anemone へ参加してきました。
公式サイト:http://jasst.jp/symposium/jasstonlineanemone.html
「そもそも JaSST ってなんだ?」という方も少なくないかもしれませんが、ソフトウェアのテストという実は非常に奥深い技術領域に関わるエンジニアの祭典です。(ちょっと簡単に言い過ぎかもしれませんが)
今回は試験的な開催という事で限定人数(30 名)での開催、しかも参加費も破格の 500 円でした。
ちなみにイベント名の「Anemone」については公式サイトに下記のように書いてあります。

》 『アネモネ花言葉は「期待」「希望」です。ソフトウェアテストをはじめ品質技術の発展に「期待」を込めて、また、この社会的に不安の多い今だからこそ「希望」になれるような場を創っていきたいと思います。』

イベントのテーマとしては「暗黙知」という事で、前半は言語化、形式化の難しいテスト分析の思考プロセスを生ライブで実演、後半は Open Space Technology (以下 OST) というスタイルで、参加者が主体となり自由にトピックを提案し議論をするという二部構成でした。


2.前半 テスト分析ライブ 


まずはテスト設計における、テスト分析をマインドマップを使用して考えていくのをライブ鑑賞(観劇?)です。
テスト設計という言葉が聞きなれないという方もいるかもしれませんが、これもまた非常に奥が深く、テスト設計の技術力を競うコンテストがあるほどです。
テスト分析を二人のエンジニアがディスカッションをしながら進めていくというのが、またちょっと斬新でした。

登場人物と概要(コメントはあくまで主観的な印象です)

■QA チーム

 ・にしさん(上司):時には厳しく、時には優しく二人のエンジニアを見守っている。
 ・はるすぷさん(テストエンジニア):テスト分析を主導して進めていく役割。
 ・ぱいんさん(テストエンジニア):一緒に分析をしつつ、少し外側からの視点で進行を促している役割。

■シチュエーション

 ・「かんばんりすと」という、Web ツールがテスト対象
 ・単体、結合テストまでは開発側で行っている
 ・システムテストを QA チームが行う
 ・テストベースはユーザーガイドのみ
 ・納期短め

休憩をはさみながら、4 スプリントで分析が進んでいきました。
事前の準備としてテストベースをある程度理解している前提ではありましたが、二人での分析の進め方についてはぶっつけ本番での実施とのこと。
しかし、それを感じさせない非常に息もあっていて素晴らしいコンビネーションで、途中沈黙が続くようなこともあまりなく、一言一言が「なるほどー」と感じさせるディスカッションを見せてくれました。
※ちなみに、はるすぷさんとぱいんさんはリアルでは別に同じ会社の人とかではなく、SNS などでちょっと知り合いという程度だそうです。

最初、マインドマップ上にはテストベースから抜き出した機能一覧的なものが展開され、そこから、観点やテストで必要になりそうな項目などを分析していくという形で、二人のエンジニアの思考や知見の違いによる掛け合いが非常にテンポよく、またカジュアルすぎずかといって硬すぎない意見の出し合いが非常に見ていても気持ちがよく、楽しいライブとなっていました。
また、休憩時や所々で入る、にしさんからの的確なツッコミやフォローが入り、振り返りの要素も兼ねていたように感じます。
そして、わざとなのかわかりませんが、スプリントごとにあまり同じような展開にならないようにファシリテートされていて、毎スプリント違う方向性で非常に飽きない展開で、テスト分析自体も「あるある」と感じさせるものや、「そういう視点もあるのか」「そのタイミングで思いつくの?」など、とても刺激を受ける内容でした。
最終的に、想定していた成果物を作成して完了というところまではいかなかったようですが、なんとなく、最後までの流れまで想像できる締めになっていたと思います。

イベント上の特別なやり方というよりも、全然通常の業務でも、取り入れていけそうな手法としてみることができました。
二人以上で分析することにより、途中で悩んで止まるというのが少なく、すぐに相談できて、お互いの持っている視点の違いでより広く分析が行えることが非常にメリットだと感じました。
もちろん、組む相手との相性などもあるかと思いますが、同じチーム内であればいろいろ組み合わせを変えてやってみるというのもよいのかもしれません。
ちなみに、タイムテーブルでは 15:30 までとなっていましたが、気が付くと 16:30 近くになっていました。


3.後半 Open Space Technology 形式でのディスカッション


1 セッション 30 分程度で、事前に出し合ったテーマで、気になったものへ参加して自由に意見交換するというのを、全部で 3 セット行いました。
※もともと、15:30 過ぎから、各セッション 30 分で 3 セットの予定でしたが、テスト分析ライブが押したため、各セッション 20 分での実施となりました。
自分が参加したのは下記の 3 セッション。(結構現場の中の話だったりもあるので、詳細なコメントは控えます)

【テーマ 1】テスト文化がない会社でテストを進めるには?

ドメインの違いなどの差異はありつつも、直面する課題は意外とどこの現場でも似通っていたように感じました。

【テーマ 2】テスト分析、設計、どうやって教育する?

・教育については多くの方がどうすればよいのか悩んでいるようでした。
・意見として多かったのは最初のきっかけをどうするかであったり、モチベーションを保つためにどうするかという部分だったかと思います。

【テーマ 3】ゆるっと、テストの雑談します?

・QA 的な組織の立ち上げ時の大変さや楽しさであったり、アジャイルスクラムを取り組んでいくときの QA は難しいというようなことをカジュアルに話すことができました。


4.まとめ


土曜日の 13:00 から 18:00 くらいまでの 5 時間でしたが、単純にコンテンツの良さと、また、参加した人一人一人の意識の高さにとても感化され、多くの刺激や知見を得ることのできた 1 日でした。

世の中が大きく変化し、今後もオンラインのイベントが増えていくというのは想像に難くありません。
これまで社外のイベントへ参加となると、業務後の夜であったり、普段行きなれない地域へ足を運ばなければいけなかったりと、そもそもの参加のハードルが高いと感じてしまうこともありました。
しかし、今後は手軽に、そして自宅からでも参加できてしまう、それこそスマホ 1 台あれば参加できてしまうような時代になってきています。
今までちょっと社外のイベントへの参加をためらっていた方は、ぜひ、ネット動画を見るような気軽な気持ちで参加してみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。